★このカテゴリーでは私が語学学校で受けた授業の内容を順番通りにまとめたものをご紹介していきます。これから語学学校で勉強される方が、大まかな流れを知っておけば授業が受けやすいかなと思って作りました。ご参考になれば幸いです。
★ドイツ語が読めない方向けにフリガナを振っていますが、正確な発音とは多少異なります。フリガナは参考程度にご覧ください。
※この記事はPCでご覧いただく方が分かりやすいと思います。
状態なのか動作なのか
今回は似たような表現でも、それが「いまその状態」なのか、それともその状態にする「動作を行う」のかによって異なる単語をご紹介したいと思います。
私は何度やっても「これはどっちだったっけ?」と迷いがちです(^-^;
Dat.とAkk.のおさらい
Dat. | Akk. | |
der | dem | den |
die | der | die |
das | dem | das |
die | den | die |
状態を表す「Wo?」Dativ
「Wo?=どこ?」に対する答えは前置詞+Dat. となります。
例えば
・im Flur(in dem)→廊下に
・in der Küche→キッチンに
・im Schlafzimmer(in dem)→寝室に
という風に前置詞+Dat. なります。
前回【Nr.24】では同じように前置詞+Dat. をご紹介しましたが、あの6つの前置詞は常に3格Dat.です。
しかし上の例文で使われている「in」は3格Dat.にも4格Akk.にも変化することができます。
このようにどちらにも変化する前置詞は9つ
(auf/in/über/unter/an/neben/zwischen/vor/hinter)あり、Wechselpräposition(ベクセルプレポジション)と言われます。
このWechselpräpositionについては次回【Nr.26】で詳しくご紹介します。
動作を表す「Wohin?」Akkusativ
「Wohin?=どこへ?」に対する答えは前置詞+Akk.になります。
・in den Flur→廊下へ
・in die Küche→キッチンへ
・ins Schlafzimmer(in das)→寝室へ
となります。
冠詞の付く国の表現
前回【Nr.24】で少し触れた冠詞の付く国名について詳しくご紹介します。
冠詞の付く国の一覧です。
Deutsch Welleより引用
一番下に注釈がありますが、maskulin:男性名詞は時々冠詞無しでも使われる(特にイラクとイラン)ようです。
この国名はすべて覚えるのではなく、これだけ冠詞の付く国があるのだという事だけ知っていればOKです。
例:トルコ(die Tükei)
冠詞の付く地名、トルコ(die Türkei)と冠詞の付かない日本で同じ表現をしてみます。
《Woher?》私は日本/トルコから来ました。
[aus]は3格支配の前置詞
《Wo?》私は日本/トルコに住んでいます。
[in]はWechselpräposition→Wo?の返答は3格
《Wohin?》私は日本/トルコへ行きます。
[in]はWechselpräposition→Wohin?の返答は4格
置く(動作)のか置いてある(状態)のか
ここまでWo?=Dat./Wohin?=Akk.とW-Frageと前置詞の組み合わせ方の説明をしました。
ここからは「状態」か「動作」かによって似たような単語を使い分ける動詞をいくつかご紹介します。
ここで紹介するものは実際の教科書では出てきていなかったと思いますが、授業でWechselpräpositionの説明の前に少し教わったので紹介しておきます。
手元の問題集ではB1レベルの表示がされているので、A1-2の段階ではこんなものがあるんだなと知っておく程度で良いかもしれません。
置く:状態を表す「liegen」,動作を伴う「legen」
※ベッドの上=前置詞はauf
=Wo?どこに靴下が置かれているのか
Die Socken ligen auf dem Bett.
(ディ ゾッケン リーゲン アウフ デム ベッド)
=Wohin?どこへ靴下を置くのか
Ich lege die Socken auf das Bett.
(イヒ レーゲ ディ ゾッケン アウフ ダス ベッド)
立つ:状態を表す「stehen」,動作を伴う「stellen」
※棚の中=前置詞はin
=Wo?どこに本があるのか
Das Buch steht im(in dem) Regal.
(ダス ブーフ シュテート イム レガール)
=Wohin?どこへ本を立てるのか
Ich stelle das Buch ins(in das) Regal.
(イヒ シュテレ ダス ブーフ インス レガール)
座る:状態を表す「sitzen」,動作を伴う「setzen」
※椅子の上=前置詞auf
=Wo?どこに座っているのか
Ich sitze auf dem Stuhl.
(イヒ ジッツェ アウフ デム シュツゥール)
=Wohin?どこへ座るのか
Ich setze mich auf den Stuhl.
(イヒ ゼッツェ ミヒ アウフ デン シュツゥール)
これらの動詞の見分け方
「stehen」と「stellen」、「sitzen」と「setzen」、「liegen」と「legen」この似た表現の動詞は動詞の過去形と過去完了形の変化の仕方で判断することができます。
先ほど紹介した3パターンに加え、Wo?/Wohin?どちらも同じ「hängen=掛ける」という単語も併せてご紹介します。
Wo?(動詞が不規則的に変化) | Wohin?(動詞が規則的に変化) |
stehen=stand/gestanden | stellen=stellte/gestellt |
liegen=lag/gelegen | legen=legte/gelegt |
sitzen=saß/gesessen | setzen=setzte/gesetzt |
hängen=hing/gehangen | hängen=hängte/gehängt |
この表のようにWohin?に当てはまる動詞は原型をとどめたまま規則的に変化しているのに対し、Wo?に当てはまる動詞は不規則に変化しています。
どちらがWo?でどちらがWohin?の動詞なのかわからなくなった場合は動詞の変化パターンを考えると解決できます。
まとめ
今回【Nr.25】ではA1-2のレベルから少し脱線した話が多くなってしまいましたが、実際の授業の流れで教わった通りに紹介しています。
その当時私もあまり訳が分からないままノートをとっていましたが、あとで実際にその内容を習うときに「前に授業でもこんな話をちょっと聞いてたなぁ」と思い出し、そこでやっと理解するという流れでした。
できるだけわかりやすくご紹介したつもりですが、文章では上手く書ききれない部分があり、余計にわかりづらくなってしまったかもしれません。
その場合は一旦ここは飛ばして、実際に学校で習ったときに復習がてら見てもらうのも1つの方法かなと思います。
・前置詞には3格と4格の両方に変化するWechselpräpositionがある→【Nr.26】
・Wo?に対する答えは前置詞+3格、Wohin?に対する答えは前置詞+4格
・冠詞の付く国名は表現の方法が異なる
・「状態」か「動作」かで使う動詞が変わるものがある
・それらの動詞は動詞の変化が規則的か不規則的かで判断できる
語学学校に通いだして、複数の先生におススメされたテキストです。
このテキストをプリントして授業で使う先生も何人かいました。
A1からB1までの文法がわかりやすく説明されていて、
練習問題もあるので文法学習に最適です。